【コメコン2】国家組織に立ち向かえ~他二編
「それで、どうでした♪」
「うん、貴重な情報を入手したよ♪コブちゃんの理想の男性像というのは、驚くなかれ、なんと外人なんだ!」
「えっ!そうなんですか!……さすがは子豚さん、目の付けどころが違う……それで、その外人って誰なんです?」
しかし、新田にその外国人の名前を訊かれると、シチローは天井を見上げ、口ごもってしまった。
「え~とねぇ……え~と…誰だっけ…」
居酒屋で飲んだ酒のせいか、性格のいい加減さによるものなのか、肝心の名前がなかなか出て来ないシチロー。
「ちょっと、シチローさん!呼び出しておいて、それは無いでしょう!
ちゃんと思い出して下さいよ!」
「え~と……確か、アブなんとか…アブ……」
そこまで聞いた新田は『アブ』のつく外国人を、必死に頭の中に思い浮かべていた。
そして、真っ先に思い浮かんだ名前を叫んだのだ。
「わかった!
『アブドラ・ザ・ブッチャー』だ!」
「そう!それっ!そんな感じだった♪」
って、全然ちげ~~だろっ!
【アブドラ・ザ・ブッチャー】
全日本プロレスの悪役黒人プロレスラー。
得意技は“地獄突き”。
「ブッチャーが理想の男性像だなんて……確かに、体型は似ているものがありますけどね……」
腕組みをして、辛辣な表情で頷く新田。
「本人に聞いたんだから、間違い無いよ♪
しかも『スケートボード』に乗ってれば完璧だ♪」
アヴリルの代表曲である『スケーターボーイ』は、かなり歪んだ解釈でこの中に盛り込まれてしまった。
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