いちごみるく





はぁ…





私は誰にもばれないように
小さくため息をする











「最近ため息ばっかりだねぇ…」






私は突然後ろから
ぼそっと聞こえた声に
ビックリする





ゆっくりと振り向くと
いつのまにか真紀が真後ろにいて






誰にも気付かれないように
したはずのため息は
どうやら真紀には
聞こえてしまったらしい







「あ!




そういや良い事
聞いちゃったんだけど」








「何―?」




真紀の言う良いことは
たまに全然
良いことじゃなかったり
するから期待せず話を聞く







「実はね…」





真紀は一度周りを見渡して
誰もいないのを確認してから



私の耳元でこしょこしょ話をする








「お兄ちゃんの友達から
聞いたんだけど




今、菜穂さんと南先輩
ケンカ中らしいよ





言っとくけどガセネタ
じゃないから




なんかギクシャクしてるらしい」






…そっか




だから今日は菜穂さんと
登校して来なかったんだ



とさっきの疑問が解けて
私は1人でなるほど!と頷く






南が今日様子がおかしかった
理由が分かって









すっきりしたような
モヤモヤしたような気持ちになる










「ちょっと嬉しいでしょ」

と真紀は得意げに
ふふんと笑う







真紀に言われて気付いた







…私ちょっと喜んでる?





なんだかまた
モヤモヤが再発する







「今が

チャンスだよ!」


と真紀が私に向かって
ガッツポーズをする









「…チャンス




うんチャンスだよね」




と私はモヤモヤしたまま頷く




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