世界中の誰よりも
序章
「大翔ー!待て!走るなっ!」
「きゃあー!!パパきょわい~」
こんな光景に、自然と笑みがこぼれてしまう。
あの時、こんな幸せを感じることが出来るなんて、思ってなかったから。
「凛、パス!あ~クソ疲れるわ。あのおてんば息子、誰に似たんだよ?」
「なーに言ってんの?あんたに決まってんでしょ!」
「俺?…あー、そうか?」
大切な人がいる。
ただそれだけでこんなに温かい。
こんなに……心地いいんだよね。