Night and Day
「真面目に言ってんだよ」
壱星の顔を見るとマジで真面目な顔してた。
「美桜ちゃんなら何か変わるかもしれないだろ。美桜ちゃんはなぜか他の奴らと違う気がするんだ…お前の痛みをわかってくれるような…」
壱星も立ち上がり俺の横の柵にもたれた。
「…そんなわけねぇだろ。馬鹿なこと言ってんじゃねぇ」
壱星が珍しく真面目だからつい俺も真面目になってしまう。
「結果はみんな同じだろ。美桜も。人間なんて信じられねぇ」
壱星は悲しい顔で俺を見たあと、いつものヘラッとした笑顔に戻り、空を見上げた。
「確かに俺も遊べる女はたくさんいても、信じられる女は側に一人もいないな~。葉月くらいだぁ~」
葉月と聞いてつい笑ってしまう。
「…下手な希望持つんじゃねえよ」
そうだ。
希望なんて持つべきじゃない。