【続】恋の坂道発進―2010年ホワイトデー短編―
運命
―運命―
「ねーねー、塩崎先生。これって運命だと思わない?」
俺の隣で、笑顔ではしゃぐなずな。
「何が?」
「ホワイトデーの日に、偶然先生が担当になるなんて」
超問題児のなずなは、どの先生からも、厄介がられていた。
みんな自分の命が大事だから。
なずなの担当になりたくないんだろう。
あと少しで、高速教習。
なずなは、俺を指名すると言っている。
他の先生はホッとするだろうな。
「ねぇ、聞いてる?」
「前見て運転しろ!信号赤だぞ」
今日はホワイトデー。
運命?
俺となずなが?
「指名したんじゃないの?」
「高速までは指名しないもん」