復讐は復讐を、血は血を呼ぶ

「ごめんなさいね、とりあえずこれ着てて頂戴」
 そう言って入ってきたミセス・ラベットの手には紺色のワンピースがあった。
「なんか真っ黒ね」
 そう言って私を見た。
「どうせなら白雪姫みたいな感じがいいわよね。でもまだこの歳だし、明るい色がいいわよね…」
「これでもいいですよ。ぼろくなければ。お金が無いなら買わなくても…」
「そう?今は生地も買えないのよね…ほんとごめんなさいね。トッドさんも理髪店開けてくれればいいのに…」
「理髪店?」
「あら、聞いてない?昔この上の階に理髪店を開いてたのよ。でも訳あって休業しちゃって、それ以来開いてないのよ。さ、着替えたら下に来てね」
 言い残すとそそくさと出て行った。あまりあのことを話したくないのだろう。



 
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