姫が王子で王子が姫で。
…………。
ここでちょっと注意書き。
マナミは表、超普通女子中学生だけど、裏、結構な“腐”のつく“女子”さんです。
わたしはマナミの素性を知ってるから、特に驚きはしない。
でも。
「……ごめん、ちょっとわかんないかなぁ……」
「うん、まああんた健全だし。健全すぎにもほどがあるくらいに健全だし」
「そうかな~?」
「うん、とっても。っていうか、ちょっと語らせて。
あたしシオンくん見てるとすごい萌えるんだけど、でもジュンと居るとそれ半減しちゃうわけよ。
だってジュンはただのバカだから!だからこう……もっと萌える方法はないかなぁって考えてるんだけどね!なんかないかな!」
グサッ!
マナミがこちらに身を乗り出そうとした瞬間、わたしとマナミの間に何かが刺さった。
よくよく見ると、それはコンパス。
それを握り潰さん勢いで握っているのは、めっちゃドス黒いオーラを発している、シオン。
口元が笑ってる。
でも俯いてるからよく顔が見えない。
更に怖い!
「……お前等、俺をネタに何を話してやがる……?」
おわあ……シオンがマジギレ寸前……!