姫が王子で王子が姫で。




…………。

ここでちょっと注意書き。

マナミは表、超普通女子中学生だけど、裏、結構な“腐”のつく“女子”さんです。

わたしはマナミの素性を知ってるから、特に驚きはしない。

でも。


「……ごめん、ちょっとわかんないかなぁ……」

「うん、まああんた健全だし。健全すぎにもほどがあるくらいに健全だし」

「そうかな~?」

「うん、とっても。っていうか、ちょっと語らせて。

あたしシオンくん見てるとすごい萌えるんだけど、でもジュンと居るとそれ半減しちゃうわけよ。
だってジュンはただのバカだから!だからこう……もっと萌える方法はないかなぁって考えてるんだけどね!なんかないかな!」


グサッ!

マナミがこちらに身を乗り出そうとした瞬間、わたしとマナミの間に何かが刺さった。

よくよく見ると、それはコンパス。

それを握り潰さん勢いで握っているのは、めっちゃドス黒いオーラを発している、シオン。

口元が笑ってる。

でも俯いてるからよく顔が見えない。

更に怖い!


「……お前等、俺をネタに何を話してやがる……?」


おわあ……シオンがマジギレ寸前……!




< 10 / 65 >

この作品をシェア

pagetop