姫が王子で王子が姫で。
わたしは慌てて立ち上がり、シオンの肩を押さえる。
「お、落ち着いてシオン。大丈夫大丈夫!マナミはちょっとからかってるだけで……」
「フザケンナ!俺は男だ!俺に向かって萌えるとかなんとか言ってんじゃねェ!!」
「いやいや、マナミはお前が男だから萌えてるんだと思うぞ☆」
「うっせェウスラハゲお前は黙ってろクソが!!」
そろそろ本気で止めないとと思ったわたしは、シオンを背後から抱き締める形で押しとどめる。
「おおおお落ち着いてってば!ここ一応教室だから!コンパス振り回して怒らないでってある意味それ事件だから!」
「うるせェ離せ!俺はこのマナミとかいうヤツを脳天からブッ刺してやンねェと気が済まねェんだよ!!」
「殺人ダメ!絶対ダメ!シオンが捕まるとわたし寂しい!」
しばらくわたしの手を離そうともがいていたシオンだけど、わたしのそのセリフにやっとその手を止めた。
フーフーと猫みたいに息を吐くシオン。
ようやくシオンを抱きしめる手を緩めたわたしに、
その時。