姫が王子で王子が姫で。




「ダメだってば!約束は守らなきゃ!」

「俺は約束なんかしてねェ。勝手にアイツが決めたんだろ」

「でもシオンも嫌だって言わなかったじゃん」

「…………。不可抗力だ!」

「暴れるシオンが悪いんだよ。だから行くの!ごはんいらないなら着替えてきたら?」

「うるせェお前に言われなくてもわかってるっつの!」

「あ!お姉ちゃんにそんなこと言っちゃダメなんだから!」

「は!?俺が上だろ!?」

「違うもん!わたしが後に生まれたんだからわたしがお姉ちゃんだよ!」

「俺が先に空気吸ったんだから俺だろ!」

「わたしの方が背が高いもん!」

「俺の方が頭いい!」


ゴンッ!

鈍い音と共に、俺とミオンの頭が同時に上下した。


「もう!あんたたちは朝っぱらからうるさい!そんな元気があるならさっさと外に行きなさい!」


いつの間にかキッチンから母さんが出てきていたらしく、俺とミオンの頭に鉄拳を喰らわせていた。

ミオンは頭を押さえながら、


「ねぇ!わたしとシオンってどっちが上なの!?」


と、未だに拳を握っている母さんに問いかけた。




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