姫が王子で王子が姫で。




「なんで父さんも母さんも美形なんだよ!」

「ん?なんだ?褒めてるのか?」

「ンなわけねェ!父さんがもっと男らしかったら俺は男に見られてたはずなんだよ!」

「……ミオン、シオンは反抗期か?」

「う~ん……そうかな~」

「そうか、反抗期か。……シオン、お前にはまだ早い!」

「どこぞのCMだよもういいよバーカ!!」

「父さんに向かってバカとはなんだバカとは!泣くぞー!?」

「泣け!泣き叫べ!俺は知らん!」


乱暴に階段を駆け上がり、自室に飛びこんだ。

俺の悩みなんか、誰もわかってくれるはずがねェってか。

そうだよな、男で女に見られるヤツなんか早々居るわけねェんだよ。

クローゼットを開けて、適当に服を取り出す。

ヤケクソ気味に身支度を済ませて家の外でミオンを待っていると、家から出てきたミオンが笑いながら、


「お父さんも、シオンくらいの時女の子に間違えられたことあるらしいよ~」


とか言っていた。

……親子揃って残念すぎる。




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