姫が王子で王子が姫で。
待ち合わせ、というか、ミオンがマナミに指定された場所は、マナミの家だった。
インターホンを押すと、出てきたのはジュン。
「遅かったなー!あれか?またシオンが痴漢にでも遭ったか?ぎゃはははははっ!」
「絞め殺すぞお前」
「お前の力量で俺を絞め殺すことはまずムリだな!」
否定できないのが悔しい。
力は欲しいが、未だに身長があまり伸びない俺は、むやみやたらと筋トレをしたくもないわけで。
あーどうか遅咲きであってくれ。
マナミの部屋へ向かうと、マナミは何やらクローゼットを漁りながら、
「遅かったねー。シオンがだだこねたの?」
とか言ってきやがったのでそこにあった本を投げつけようとしてミオンに止められた。
ミオンにも押さえつけられる俺ってどうなんだ。
やっぱ筋トレした方が良いかいやでも身長も欲しい。
と、部屋の隅で悶々としていた俺に、マナミの弾んだ声が聞こえてきた。
「ではでは!“面白いこと”にさっそく取り掛かろうと思います!」