姫が王子で王子が姫で。
…………。
どうせロクでもないことだとはわかっていた。
あぁ、わかってたさ。
だが、これは俺の眼中になかった。
「は!?なんで俺がこんなもん着なきゃなんねェんだよ!?」
渡された洋服は、何故か女ものだった。
「だーかーらー。説明したでしょ?ミオンが男で、シオンが女になってもらうのー。
ちょっとした実験ってヤツ?いかに2人がその性別に見えるかどうか!」
男ものの服を抱えたミオンが、マナミに言う。
「でもどうやってそれ判断するの?2人は元からわたしたちのこと知ってるから、難しくない?」
「それは任せて!顔の広いジュンが他校から助っ人呼んでるから☆」
「おうよ!男女1人ずつ呼んでるぜ!」
それを聞いて俺は理解した。
「……まさかお前、性別逆になった俺とミオンがそいつらと1日デートするとか言うなよ……?」
すると、マナミは瞳を輝かせてこちらを向いた。