姫が王子で王子が姫で。




マナミは呆れたように「だからー」と。


「だからー、シオンくんは自分のこと“私”って言うんだよ!OK?」

「は!?」

「当然でしょ?だってキミは今おにゃのこなのですから☆」

「……おえっ」

「あ、ビニール袋いる?」


どこからか袋を差し出してきたマナミに心底呆れる。

なんかもうコイツはいろいろと救いようがない。

だが、マナミの決めたルールのせいで、俺は拒否権を失ったわけで。


「……もういい。ヤケクソだ。やってやンよ」


頷くしかない。




◆◆◆◆◆




待ち合わせは駅にしていたらしく、俺とミオン、そしてジュンとマナミは4人で駅に向かった。

周りからすげー視線を感じるのは、たぶん俺だけじゃないはず。


「なんか……すごい視線感じない?」


隣から慣れない眼鏡を掛け直しつつ小声で話しかけてくるミオンに、俺は頷く。




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