姫が王子で王子が姫で。
「俺もすげー思ってた」
「やっぱり周りから見たらわかるんじゃない……?」
ミオンの不安げな声に、前を歩いていたマナミが振り向き。
「そーんなわけないじゃーん!2人があまりにも美男美女だから見惚れてんでしょ☆」
「どっちがどっちだかわかんないけどな!」
「ま、あんたたちは日頃から注目の的だけどねー。学園の王子と姫☆」
「もちろん、ミオンが王子でシオンが姫だけどな。ぎゃはははははっ!」
一瞬ものすごい殺意を覚えて拳を握ろうとした瞬間にミオンに慌てて止められた。
「おおお女の子だから!今シオンは女の子だから!ダメだから!」
「関係ねェよ俺はこの筋肉バカの笑い上戸を一回ぶん殴らねェと気が済まねェんだよ!」
「だからな、シオン。お前に俺をぶん殴ることはムリだって。何故ならお前は……儚げな少年だからだ。
……ぶふぅっ!ヤベェこれいいぞ!儚げな少年!ぎゃははははははっ!!似合わねェ!!
おっと違った今は少女だった。可憐な美少女?おぉ……しっくりくるぞ!あひゃひゃひゃひゃっ!」
「コ ロ ス 。」
手に持っていたバッグでジュンの顔面を狙おうとして、ミオンにまたもや押さえこまれた。
それを見てマナミが笑う。