姫が王子で王子が姫で。
「やっぱりまだミオンの方が上かー。ま、でもシオンくんも、成長したらきっといい男になるって☆あたしの願望ではないけどね☆」
「お前の願望に合わせる気なんかねェよ。」
「まあまあ……あ、そろそろ駅だよ~」
仲裁に入るのはもうお手のものらしいミオンが、宥めつつ前方を指さした。
ギクッと肩を上下させる俺は、女子っぽくする自信がないからで。
「……自分のこと“俺”って言ったら即行写真いただくからね~?」
と、俺にニマニマ顔を向けてくるマナミに後ずさりする。
……さっきよりルールが厳しくなってきている気がしないでもない。
「それでは、2人とも準備はいいですかねー?マナミさんはもうさっきからwktk(ワクテカ)しておりますが!」
「俺等にわかるような単語で話せ。」
「あらごめんあそばせ☆んでは、行くよん♪」
先立って歩き出したマナミに、俺とミオンは一度目を見合わせてから駅へと向かった。