姫が王子で王子が姫で。




…………。


上目遣いされた!

うあぁあ……ゾクッとした!

悪寒が走った!

え、なに!?

男子って女子から上目遣いされたらこんな感覚になるの!?(※アナタは女性です)

……で、でも今キョドったら変なヤツって思われちゃうから、ここは踏ん張って……。


「そ、そっか……なんかボクも嬉しいな」


引きつり笑顔を浮かべてそう言ってみる。

頑張った!

わたし、頑張ったよ!

ミヨはニッコリと笑顔を浮かべて、前方を向いて足を進める。

わたしはその後ろで焦り中の頭の中をなんとか落ち着かせようと、必死で深呼吸していた。




◆◆◆◆◆



ミヨはとっても良い子だった。

よく気を使ってくれるし、ささいな気配りも上手だった。

……お友達になりたい!

嗚呼……なんでわたし男装しなきゃならなかったんだろう……!




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