姫が王子で王子が姫で。




車はこちらが気付くと思っているのかスピードを落とす気配もない。

道路は狭い。

口で伝えるより、こっちの方が安全!


「ミヨ、危ない!」


咄嗟にわたしは、ミヨを庇うようにして、道路の端に追いやった。

わたしの背後を、車が猛スピードで駆け抜けて行くのがわかった。

お、恐ろしい……。

その車を見届けてから、安堵の息をつく。

すると。


「……あ、えっと……ミオンくん……?」


ハッとして、「怪我はない!?」と言いつつミヨの方を向いて驚愕した。

し ま っ た !

咄嗟だったから何にも考えてなかったけども!

わたしみよさんをかべにおいやってしまいましたどうしましょうこのじょうきょうどうしたらいいのでしょう。

お気づきの方もおられるかと思いますが、そうです例の体勢です。

ミヨはなんていうかもうすごい上目でこっち見てくる。

これはどうしたらいいの!?




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