姫が王子で王子が姫で。




「あ、喋った!外見と同じく綺麗な声してるねー!」


死 に さ ら せ 。

拳を握りしめるが、後のことを考えると抑える他ない。


「んじゃ、シオンが喋ったところで、どこ行こうか?」


どういう繋がりだ。

そして俺は帰りたい。

とかいう俺の心境を知る由もないこのウゼェ生き物は。


「あ、そう言や見たい映画があったんだよねー!それ行こう!」


1人で勝手に決めて、こちらを振り向き。


「んじゃ行きますかー」


とかなんとか言いつつ、何故か俺の手を握って走り出した。

…………ゾワッ。

離せ触るな寄るな来るな走るなキメェエエエエエ!!!!!!

振り払おうにもあまりの悪寒と気持ち悪さに吐き気を催してきた。

マジで帰りて……おえっ。





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