姫が王子で王子が姫で。
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「なんか顔色悪いよね?」
「…………」
「気持ち悪いんだ?」
「…………」
「吐きそう?」
テメェのせいだよクソが!
なんの映画を見ていたのかさえ覚えちゃいない。
しかも途中からだったような気がしないでもない。
映画館の前にある噴水が特徴の広場で、俺はベンチに座ってずっと下を向いていた。
リアルに吐ける。
今なら吐ける。
「なんか飲み物買ってくるわ!」
突然立ち上がったシンは、そう宣言してどっかに走って行った。
そのまま帰ってくんな。
心の底からそう願ったが、まあ、当然アイツは戻ってきた。
しかも、
「はいこれ」
ブラックコーヒーを持って。