姫が王子で王子が姫で。




思わず仰け反った。

ベンチがガタンッと揺れたが気にしない。

っつーか気にするヒマがねェ!


「え、シオンってもしかしてコーヒーダメ?」

「ダメも何も嫌いだ!」


首を傾げるシンに、反射的に普通の口調で喋ってしまった。

やべ……!


「シオンって可愛い外見して、もしかしてクーデレ?」

「…………。は?」(←思わず)

「そういうギャップっていいと思うんだよねー俺!」

「…………」

「しかもコーヒーがダメとかって、可愛くない?」

「…………」

「シオンって実は性格も超可愛いでしょ」


コロス。

ニッコリ笑って絶対禁句の言葉を連呼しやがったコイツにものすげェ殺意を覚えた。

だがマナミに持たされたバッグの中にコンパスもなけりゃナイフもねェ。

しかたねェ、絞め殺すか。

と思った途端に。




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