姫が王子で王子が姫で。
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こんなにダルイ外出をしたのは生まれてこのかた初めてじゃねェかってくらい面倒だった。
シンはリーダーシップをとりたい性格なのか、いやぜってェそうだろうとしか思えねェ勢いで俺を引っ張り回す。
最初はこちらも抵抗していたが、だんだん面倒になってきて諦めた。
もうマジで煮るなり焼くなり好きにしやがれっつー感じだ。
どこぞの店やらに連れ回され、ようやく1つのカフェに入って落ち着いたのが、今から約2分前。
椅子に座ってグッタリな俺に気づいているのかいないのか。
まあ後者だろうが。
シンはコーヒーとミルクティーを注文してから頬杖をつく。
「なんかシオンすっごい疲れてる?」
ったりめーだこのバカ。
「んー……ごめんね、俺って緊張とかすると周り見えなくなって焦っちゃうんだよね~」