姫が王子で王子が姫で。




っつー思いを込めて握ったカップがガタガタと怒りで震えているが、ヤツはたぶん気づいてない。

なんつってもヤツの目は節穴だからだ。


「なんてね!あれ?シオン、カップすごい震えてない?」


ってそこは気づくのかよ!

なんなんだテメェの目は!

シンは何も言わない俺をなんと受け取ったのか、


「あ、もしかしてシオンも緊張してた?大丈夫大丈夫ー。俺も同じだから!」


とかなんとか言いつつ、何故か俺の頭を撫でてきた。

だっから俺に触ンじゃNEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!

再びの気持ち悪さに椅子ごと後退する。

空気読めねェワラジムシは、気にせず喋り続ける。


「っていうか、シオンの誕生日とか聞いてなかった!」


教えるわけがねェ。


「俺の予想としては、2月辺り!」


…………。


当たってやがる。




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