姫が王子で王子が姫で。
「ちょっ……シオン!」
シンの声と共に、思い切り引っ張られた。
あ?なんだ?
激しくボーっとしていたため、何がなんだかまったくもって理解不能な俺は、
何度か瞬きしてようやく現状を掴んだ。
どこかの狭い道、その端に居るのがわかった。
しかも何故か、俺の目の前にはシンが居る。
っつーか、庇うような格好だ。
で、シンの後ろを車が走り去って行き。
……あー、なるほど、そういうことか。
まあ、男子が女子を庇うっつーシチュはよくあることだよな……。
……って、ちょっと待て。