姫が王子で王子が姫で。




2人の爆笑する声が重なる。

シオンは超不機嫌な顔で部屋のドアに向かう。

うわあ……これあとでどう機嫌直そう……。

シオンの後ろ姿を眺めながら唸ったわたしは、ガチャッとシオンがドアを開け、


「なっ……!?」


と驚愕の声を上げて飛び退いたことで顔を上げた。

ドアの向こうに居たのは、


「……ミヨちゃん!?」

「……シン……おえっ」


例の2人、ミヨとシンだった。




◆◆◆◆◆



「え、2人とも知ってたの!?」


そう驚きの声を上げたわたしに、2人は頷いてみせる。

ちなみにわたしの後ろで、背中合わせの形で座ってるシオンはめちゃくちゃ気分が悪そうで、
マナミとジュンの説明の間もずーっと喋らなかった。

その説明というのは、まあわたしの叫び通り、2人がわたしたちの本当の性別を知っていたこと。

でも実物を見たことがなかったから、途中からマヒしちゃったんだとか……。




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