姫が王子で王子が姫で。
「だって本当にミオンちゃん、男の子に見えちゃって……ついつい……えへっ」
と、ミヨ。
「いやマジでシオンも女子に見えてさー。悪かったな、シオン!機嫌直せってー!」
と、シン。
シオンから返事はない。
だからわたしが代わりに。
「あー、シオンはね、自分を女子的扱いした人には拒否反応が出るって言うか……。
たぶんしばらくは話してくれないと思う……」
「あ、なるほどねー。そうかそうかー。いやマジ悪かったな!」
「そう言えばシンくん、シオンが蹴り上げた場所は大丈夫ですか……」
「んー?大丈夫大丈夫!シオンって虚弱体質か?そんな強い力でもなかったし」
「……ンだとこのワラジムシが……」
「ありゃ、喋った!」
「……おえっ」
「え、結局そうなるんだ!?」
ジュンとはまた違う感じのシンの反応が、私的にちょっと新鮮。
そんなシンの隣に座っていたミヨが、こちらに身を乗り出してきて。