姫が王子で王子が姫で。
「なんっか、ハタから見てるとホントシオンくんは女の子みたいな顔してるよねー」
「……ンだと?」
マナミの言葉を聞いて眉根を寄せつつこちらを向いたシオン。
マナミは「ほら」と。
「やっぱ男子っぽくはないよねー。人間離れしてる。美形すぎて性別がわかんない」
「俺にとってそれは褒め言葉じゃない。」
「体系も華奢だしさー。化粧して髪の毛伸ばしたらもろ女子じゃん。
っていうか、あたしより綺麗だと思う。遥かに」
「誰がするかよ。」
フイッとまた向こうを向いてしまったシオンに、マナミは小さく笑う。
「羨ましい悩みだよねー。シオンくんも、あんたも」
“あんたも”という言葉と共に、こちらを指さしたマナミに、わたしはきょとんと。
「え、わたしも?」
わたしとしては当然なことを疑問に思ったんだけど、マナミにとっては違ったみたいで。
「当たり前でしょー?ミオンも、シオンくんと同じ顔してんだから。美形すぎて性別がわかんないんだよ」