姫が王子で王子が姫で。




でも後になってから考えると、マナミの言いたかったことってつまり。

何をどう変えても、わたしはわたしで。

何をどう変えても、シオンはシオンで。

じゃあ、今の自分をどれだけ前向きに好きになれるかってことで、これからが決まるんじゃないかって……。

たぶん、きっとそういうこと。


「……そういうことなんだよね、シオン」


寝る間際、二段ベッドの下に寝ているシオンに、わたしの考えを言うと、シオンは。


「……知るか。俺は寝る」


って、それだけしか言ってくれなかった。

双子だからなのかはわからないけど、でもシオンの声色がなんとなく今までと違って前向きに聞こえたのは、わたしだけじゃないはず。

……だよね、シオン。





【End】





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