口紅
12才
今日は中学校の入学式。
私はばっちりセーラー服を着て、二つぐくりをして、いつでも出発できる。
でも、お母さんの準備が整っていない。
冗談じゃない、お母さんのせいで、入学式当日から遅刻なんて。
そうおもってはいるけど、お母さんも急いでいる様子なのでなにも言わない。
お母さんもだんだんイライラしてきたのか、あぁ、もう!とか、ああーごめんね、
とかいいながら、あっちへこっちへいったり来たりを繰り返している。
「何、探してるの?」と聞くと、
「口紅よ。」と、お母さんは答えた。
私はつい、かっとなって、
「どうでもいいじゃない、そんなの!」
と、
叩きつけるように言い放った。
くちごたえの少ない私がそんな態度をとるなんて、お母さんは思ってなかったようで、
一瞬目をまるくさせて、悲しそうに、
「そう、そうよね。ごめんなさいね。」
といって、気まずいまま私達は、家を出た。
口紅を塗っていないお母さんは、急に老けて、疲れて見えた。
私は式の最中も、お母さんの事を考えていた。
私はばっちりセーラー服を着て、二つぐくりをして、いつでも出発できる。
でも、お母さんの準備が整っていない。
冗談じゃない、お母さんのせいで、入学式当日から遅刻なんて。
そうおもってはいるけど、お母さんも急いでいる様子なのでなにも言わない。
お母さんもだんだんイライラしてきたのか、あぁ、もう!とか、ああーごめんね、
とかいいながら、あっちへこっちへいったり来たりを繰り返している。
「何、探してるの?」と聞くと、
「口紅よ。」と、お母さんは答えた。
私はつい、かっとなって、
「どうでもいいじゃない、そんなの!」
と、
叩きつけるように言い放った。
くちごたえの少ない私がそんな態度をとるなんて、お母さんは思ってなかったようで、
一瞬目をまるくさせて、悲しそうに、
「そう、そうよね。ごめんなさいね。」
といって、気まずいまま私達は、家を出た。
口紅を塗っていないお母さんは、急に老けて、疲れて見えた。
私は式の最中も、お母さんの事を考えていた。