笑えれば最高【エッセイ】

怪しい展覧会

 数年前、ちょっとしたお知り合いから宝飾の展覧会に誘われた。

「別に何も買わなくていいから。お昼御飯が無料で食べられるよ」

 なーんて言われてついてった馬鹿です。


まあ、高い宝石なんてこの先目にする事なんて無いかもしれない。とか考えて行ってみた。

 うん、セールスを華麗に受け流し昼飯ゲット。


それが3回ほどあったかな?


セールスの人に、

「どれか気に入ったのある?」
「これ」

 と、即答で置いてある原石を指さしたのは言うまでもなく私。


おそらく一瞬、沈黙したと思われる。場内は音楽が流れていたのでハッキリとは解らないが。


 うん、その後に怪しい電話が来たかな。


男「○○の旦那ですけど。絶対に買わないようにしてください」

私「はあ……」

 元々買う気も無ければ、買う金も無かったけども。


しばらくするとまた電話。

女性「○○の妹ですけど。そこは○○関係なので、買わないようにしてください」

私「はあ……」


 なんとなく解ってはいたけどね。
タダで昼飯食べられたから良しとする。


その電話以降、そのお知り合いの人も来なくなったわ。

 高い宝石が見られるチャンスが無くなってしまった……。
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