ばい


「乃亜!」

「…なに?」



初めて出会ったときから俺は毎日のように乃亜に会いに行ってた。


別に乃亜位の女は周りにたくさんいたのに
何故だか分からないけど、会いに行ってた。



「もうすぐテストだから教えて。」

「…尚輝と一緒ならね。」



乃亜は凄く嫌そうな顔をして条件を出すけど
決して突き放すようなことはしなかった。


それは、乃亜なりの優しさだって思ってた。



「どれが分かんないの?」

「乃亜って彼氏いないの?」

「勉強と関係ない質問には答えない。」

「お前、なんの為に乃亜姉に教えてもらってるんだよ。」



彼氏がいるか聞くといつもはぐらかされた。


別に乃亜に彼氏が居たって関係ない。


関係ないのに…


気になってしまう。



「乃亜姉、これって?」

「これは…」



乃亜が尚輝と話してる姿を見るとイライラする。


俺には出会ってから笑顔なんて見せてくれないのに


尚輝に見せる笑顔にイライラする。


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