ばい
「…喧嘩なんかしてないですよ。」
「え…でも乃亜ちゃん泣いてたぞ?」
「喧嘩じゃないです。ただ…」
「ただ?」
俺は富田さんに全部、話した。
本当は乃亜と付き合ってなくて…
セフレって関係だってこと。
だけど俺は乃亜を本気で好きで伝えてること。
昨日、コンビニで俺に似てる幼なじみに会ったこと。
今日、その幼なじみと乃亜が抱き合ってたこと。
それを見て俺が決めたこと…
富田さんを本当に信頼してるから全て話した。
「驚いたな。お前ら…付き合ってなかったんだ。」
「驚くとこって、そこ?」
「違うけど…お前はそれでいいのかよ?」
いいわけない。
いいわけないけど…
「もう決めたんだ。」
「なら、これ以上は何も言わねぇよ。」
「あぁ…」
「明日の撮影が終わったら最終で帰るからな。」
俺が決めたこと…
明日、乃亜に会わずに東京に帰り…
乃亜には会わない。
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