ばい
「おせぇ…」
駅に着くまでに乃亜に会わなかったのは良かったけど…
次の電車の時間まで30分以上あった。
その電車をずっと待ってた。
田舎だから仕方ないかもしれないこど…
電車の時間くらい調べててほしかった。
「なぁ仁…」
「ん?」
ずっと電車を待ってて、もうすぐ電車が来るってときに富田さんに話掛けられた。
「本当に良かったのか?」
「…うん。」
これで良かったんだ。
俺とのことがなくなったら乃亜はアイツのところに戻れる。
乃亜は、ただの幼なじみって言ったけど…
そんなの嘘だってわかる。
あの二人を見てたら…
お互いにまだ好きだってこと位…
嫌でもわかる。
アイツよりは短いかもしれないけど…
6年も乃亜を見てたんだ。
「自分で決めたことなら、そんな顔するな。」
そんな顔って、どんな顔だよ…
「泣きそうな顔してるぞ。」
泣きそうな顔?
「そんなわけ…」
「…仁!」
富田さんに言い返そうとしたら…
愛しい人の声が聞こえた。
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