ばい


「おせぇ…」



駅に着くまでに乃亜に会わなかったのは良かったけど…


次の電車の時間まで30分以上あった。


その電車をずっと待ってた。
田舎だから仕方ないかもしれないこど…


電車の時間くらい調べててほしかった。



「なぁ仁…」

「ん?」



ずっと電車を待ってて、もうすぐ電車が来るってときに富田さんに話掛けられた。



「本当に良かったのか?」

「…うん。」



これで良かったんだ。


俺とのことがなくなったら乃亜はアイツのところに戻れる。


乃亜は、ただの幼なじみって言ったけど…


そんなの嘘だってわかる。


あの二人を見てたら…


お互いにまだ好きだってこと位…


嫌でもわかる。


アイツよりは短いかもしれないけど…


6年も乃亜を見てたんだ。



「自分で決めたことなら、そんな顔するな。」



そんな顔って、どんな顔だよ…



「泣きそうな顔してるぞ。」



泣きそうな顔?



「そんなわけ…」


「…仁!」



富田さんに言い返そうとしたら…


愛しい人の声が聞こえた。


.
< 30 / 95 >

この作品をシェア

pagetop