ばい


「…乃亜。」



どうして乃亜がここにいるんだ…


尚輝に聞いたのか…?



「仁!」



乃亜は俺が居るホームの反対側のホームにある駅の入り口から必死に走ってきてる。


乃亜の実家の駅は自動改札なんてなくて


誰でもホームに入れるようになってる。



「……じ、ん…」

「……ッ…」



声だけでわかってしまう。


乃亜が泣いてる。



「……じ…」



乃亜が俺の名前を呼ぼうとしたとき…


電車が来た。


俺はその電車に乗り空いてる席に座り
反対側のホームにいる乃亜を見た。



乃亜は肩で息をしながら泣いていた。


その姿を見ると胸の奥が痛んだ。


どうして泣くの…?


俺はアイツの代わりだったんだろ…?


もう代わりは必要ないだろ?



「仁!」



再び乃亜が名前を呼んだと同時に電車が発車した。



そして…


東京に戻ると同時に俺は携帯を変えた。


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