ばい
「……ン…仁…?」
朝、目を覚ますと隣に仁はいなかった。
きっと朝早くから仕事なんだろう。
「……」
まだ少しだけ仁の温もりがある布団にくるまり再び眠りにつこうとしたけど…
『話したいことがあるから明日、あの場所に来て。』
昨日、慎に言われた言葉を思い出した。
慎は時間は言わなかったけど…
なんとなく、いつ行けばいいのか分かる。
きっと今、あの場所に行っても慎はいない。
慎がいるのは夜だ。
それは私と慎がいつも会っていた時間。
誰にも内緒で…
あの人にも内緒で慎と会ってた時間。
「……ッ…」
思い出すと涙が出そうになる。
…いまさら何の話があるんだろ?
『あの時』
慎は私じゃなくて、あの人を選んだのに…
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