ばい
「乃亜、出掛けるの?」
「うん…」
夜になると私は、あの場所に出掛けるために家を出た。
空を見上げると星がキレイに見えた。
東京だと、こんなにキレイに見れない。
この星…仁と見たいな。
「……」
あの場所に続く道を歩いてると足を止めた。
私…
いつの間にか仁の存在が大きくなってる…?
この6年…
いつも私の側には仁がいた。
辛いときは苦しいときは、いつも仁が側にいてくれた。
たぶん…
私は仁のことが好きなんだと思う。
仁の気持ちにハッキリ答えを出さないのは
仁を失うのが怖いんだと思う。
それなのに…
「乃亜。」
「慎…」
慎に会うとドキドキする。
この年になっても慎にドキドキしてしまう…
ねぇ…
どうして、あなたは簡単に私の中に入ってくるの…?
仁は時間が掛かったのに…
あなたは簡単に私の中に入ってくるんだね…
.