ばい


「来てくれて良かった…」



慎は安心したように呟いた。


ねぇ…
どうして、そんな顔するの…?


あなたはあの人と幸せにしてるんでしょ…?


私のことなんて忘れてたんでしょ…?


だから
この6年、連絡をくれなかったんじゃないの…?



「どうして、そんな顔するの…?」

「え…?」

「あの時、慎は私じゃなくて
あの人を選んだじゃない!」



私と慎は付き合ってなかった…


ただ、今の私と仁みたいに体の関係はあった。


仁には私以外にも、そういう関係の人は一人いた。


一つ先輩の美月(みつき)さん。


周りから見たら仁と美月さんは付き合ってるように見えた。


ううん…


実際には付き合ってた。


いつも二人が一緒にいる姿を見るのが辛かった。


この場所で美月さんに内緒で抱かれるのが辛かった…


.
< 38 / 95 >

この作品をシェア

pagetop