ばい
ーガン
「ふざけんな!」
「尚輝…?」
いつも冷静な尚輝がテーブルを蹴り飛ばした。
俺は驚いた。
「仁は乃亜姉のこと、もう好きじゃねぇのかよ!」
「……」
好きだよ…
好きだけど…
「…好きじゃねぇよ」
嘘を吐いた。
嘘を吐かないと乃亜を好きって気持ちが溢れ出して止まらない気がしたから。
だから…
嘘を吐いたんだ。
「週刊誌見て乃亜姉、泣きそうな顔してたぞ」
「……」
「あと、乃亜姉、見合いするんだって」
見合い?
なんで…?
だって乃亜は慎って幼なじみと上手くいったんじゃないのかよ…?
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