ばい
「あ!」
「は?」
仕事が終わり帰ろうと道を歩いていると
目の前の男に声を掛けられた。
「確か乃亜と一緒にいた…」
「あ…」
乃亜の幼なじみの…
なんで、こんな所にいるんだよ…?
「出張で来てるんだよ」
「へぇ…」
思ってたことが顔に出てたらしく
乃亜の幼なじみは答えてくれた。
そこまでは良かった。
良かったんだ…
「コーヒー。仁君は?」
「俺も…」
なんで喫茶店でお茶なんかしてるんだ?
それより…
「なんで俺の名前…」
「乃亜とは幼なじみで尚輝が遊びに来たときとか遊んでて知ってるから雑誌を見てたんだよ」
「あぁ…」
そういうことか…
俺と尚輝はモデルの頃から二人で組んでた。
だから尚輝のことを知ってるなら俺のことも知っててもおかしくはない。
「タバコ吸ってもいいかな?」
「…どうぞ」
−トントン カチッ
「フー…」
あ…
乃亜と同じ癖
乃亜はタバコを吸うとき必ずフィルターをテーブルで叩いて火をつける。
そして
フィルターを少し噛むようにして吸う。
今、目の前にいる男は同じ癖でタバコを吸ってる。
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