ばい

「じーん」



収録の時に泊まりに来ると言ってた女がマンションの下にいた。


コイツはこの前、週刊誌に載ったヤツで…


元カノだったりする。


俺が女遊びが激しかった頃
唯一、続いてた女。



「真奈（まな）、いつ着いた？」

「さっきかなぁ」



笑顔で答える真奈は他の女が見たら可愛いのかもしれない。


モデル出身だし。


でも俺は可愛いと思わない。


俺が可愛いと思うのは一人だけ。



「今日は無理言ってごめんね？」

「気にするな」



真奈は申し訳なさそうな顔をしてた。


真奈は週刊誌に載ってたように泊まりに来るし体の関係もある。


だけど…



「…また尚輝に振られちゃった」



真奈が好きなのは尚輝で俺じゃない。


まだ俺と付き合ってた頃に浮気ばかりする俺に悩み
尚輝に相談してるうちに好きになったらしい。


尚輝は尚輝で真奈を好きだと思うけど…


俺との関係があるから素直になれないみたいだ。



「…私、どうすればいい？」



泣きながら言う真奈の肩を抱きマンションに入ろうとした瞬間




「じ、ん…」



愛しい人の声が聞こえた。


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