ばい


「珍しいな」



尚輝が遅刻することなんて滅多にない。


俺が遅刻することは多いけど。



「見送りに行ってたんだよ」

「見送り…?」



心臓が早く動き出したのが分かった。



「あぁ…」



キキタクナイ



頭の片隅でそう思った。



「乃亜姉の見送り」



今日は頭を殴られたような痛みがした。



「これ、乃亜姉から」



尚輝から渡されたのは一枚の封筒。


それを受け取り読んでいくと涙が溢れた。


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