ばい
「……ッ…」
止めようと思っても涙が止まらなかった。
どんなに泣いたって乃亜は戻ってこない。
「乃亜姉の気持ち、伝わったか?」
「…あぁ」
俺達は最後の最後まで、擦れ違ってた。
一年が過ぎようとした頃に乃亜の本当の気持ちを知った。
でも遅すぎた。
乃亜…
『ばぃ』が癖だったのは慎のが移ったからだって思ってた。
だけど乃亜は俺達らしくって手紙に書いてくれた。
乃亜の中では
あの言葉は俺とのことになってたのに…
乃亜…
俺も遠くからお前の幸せを祈ってる。
だけどな?
いつか、また出会えたら好きって言っていいか?
その時は笑って受け入れてくれよ。
その日まで…
ばぃ…
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