意外にも天然な君【完】
そんなラブラブな二人を見送って、いつものように窓の外に目をやる。
「ふぅ……」
最後に教室に1人取り残される寂しい女ことあたし、南 明里。
15歳の彼氏無し。
最近は小夏が朔にべったりなので、こうして1人でぼんやりと放課後を過ごしている。
彼氏がいない、というのはまぁ慣れたものなのだが
さすがに、恋人達のタメのとでも付きそうな今日、バレンタインは少し虚しかったり。
自分で食べるためだけに作ったチョコレート。
それを一口食べて、部活動に頑張って励んでる後輩の姿を目にする。
皆偉いなぁ……。
そう思っていると、ガラッという音がして。
なんとなく、その音がしたほうに振り向いてみると
そこには見覚えのある同級生の姿が。