意外にも天然な君【完】
そう言うと、そいつはキョロキョロと辺りを見渡してから、教室の中に入ってくる。
やっぱりクラスの誰かに用事なのだろうか。
そう考え、すぐにあぁと思い至る。
──今日はバレンタイン。
うちのクラスの誰かが、チョコレートを渡すためにコイツを呼び出したとしても、不思議ではない。
……ここでも邪魔者デスか。
軽くはぁ、とため息をついて、チョコレートをしまい立ち上がる。
今は4時25分。
待ち合わせをしてるとしたら4時30分だろうか?
それまでに教室出ないとなぁ。