不器用に優しいアイツ【完】
「さあ。でも、案外可愛い理由かもしれませんよ」
そう言ってクスクスと笑う。
可愛い……?
それってどういう……。
「出来ましたよ」
考え込もうとしたところで、そう声を掛けられる。
「あ、ありがとうございます!」
「いいえ。
では……──また、お越しください!」
その店員……桜葉さんに見送られ、あたしととっしーは店を出た。
「…………」
どうしよう。
何話していいか分かんなくなる。
もともとあたしが話しかけて成り立ってた会話。
あたしが黙ると自然と沈黙になる。