不器用に優しいアイツ【完】


気付いたのは「なんで留守の『あたし』が返事できんだよ」という
とっしーの呆れた声が聞こえてからだった。


さすがにあたしもこの馬鹿さ加減には、自己嫌悪。


だいたい何で初めから素直に出ないで、居留守なんてしようとしたんだろう……。


恐る恐る、カチャリ、とドアを開ける。



そこには数分前と何ら変わらないとっしーがいて。


息は切らしてないものの、額にうっすら汗をかいてることから
探し回ってくれたことが分かる。


< 20 / 26 >

この作品をシェア

pagetop