不器用に優しいアイツ【完】
「とっしー」
「ん?」
「はい、コレ」
そう言って鞄の中にあった、水色の包み紙でラッピングされた箱を取り出す。
「えと……今日、ホワイトデーだから。
一応、甘いの大丈夫か分かんないから
ビターなんだけど……」
中身はビターチョコで作られたカップケーキ。
とっしーは一瞬驚いた顔をし、それを受けとると即座に開け始める。
もう開けるの!?
そう思って口にしても、手を止める気配はない。
そしてカップケーキをパクりと一口。