不器用に優しいアイツ【完】
あまりにも突然すぎる展開に、あたしは状態把握が出来ていない。
え、何。
何が起きてるの。
少しして、放り込まれたズボンとTシャツ。
それはあたしが普段着てるものにそっくりで。
「それ、着替えてみて」
そう言われ、素直に着替える。
やっぱりこういう服のが楽だな……。
取り敢えず着終えて変じゃないか鏡で確認。
鏡の向こうには、見慣れたあたしの姿。
初めて着る服なのに、自分が選んだようなぴったりした感じがするのは
選んだ人のセンスがいいのだろう。
さすがにこのまま元の服に着替える訳にはいかない。
ひょこっと試着室から顔を出し、とっしーを呼ぶ。