【完】甘辛ダーリン絶好調♪
そして、教室に入ったあたし達。
颯とは…会わなかった。
今は、会いたくないから、よかったけど。
「はよ」
「へ?」
上を向くと、風瀬くんがたっていた。
「あっあぁ…おはよう。風瀬くん」
力無く笑うあたしに、少し眉を潜めた風瀬くん。
あぁなんか…あたしってわかりやすいんだなぁ。
心配なんか、かけたくないのに…
アレ見てたんだから、きっと理由がわかってる。
あの時、追い掛けてきてくれてたみたいだったし。
途中で足音が途絶えたんだけどね。
「昨日は…「…………マネ、さんきゅーな?」
あたしの声に声を被せ、風瀬くんは、あたしの席から離れていった。
着信のこと言おうとしたのに…
優しいな。
あたしの周りの人は…
こんな優しい人達に、甘えちゃダメだ。
ちゃんと聞かなきゃ。
颯に。