【完】甘辛ダーリン絶好調♪

「おい、麻咲」

懐かしい…この声。

「はい…」

振り返ると、懐かしい…顔。
髪は前より短くて、先生だからかキッチリしてる。

でも、なんで今頃?
なんで今更……?

「ちょっと話しがある。放課後職員室にきなさい」

「わかりました」

そっけない言葉を交わし、疾風はさった。

でも…それでもまだ胸が痛むのは、疾風のことを心が忘れていなかったから…

今も好きだから痛むんじゃない。
『なんできたの?』
そういう思いが交差して苦しくて仕方ないから…胸が痛むんだ。

「やだ…やだよ…」

あたしの否定は、すぐに教室の騒音に掻き消された。



< 170 / 234 >

この作品をシェア

pagetop