【完】甘辛ダーリン絶好調♪
☆李衣☆
そして、あたしの頬に涙が伝う。
「はっ?何泣いてんだ?李衣?」
颯は元に戻ってるみたい。
「はっやて?」
「ん?」
甘く優しい声。
颯の顔が、涙で揺らめいてる。
「あたしっ…て…颯の…何?」
別れを切り出す前に、聞いておきたかった。
「……李衣は、女達を巻くための、彼女」
平然と答えた颯に、自分の決断は、間違ってないと確信した。
それと同時に、どうしようもない悲しみが、心を締め付けた。
溢れる涙は、止まることを知らなかった。
「でもさ…李衣」
まだ話をするの?颯。
あたしを突き放すの?
「やめて」
あたしは颯を拒否した。